映画【凶悪】を観て思う事

Amazonプライムで無料だったので、山田孝之主演の映画【凶悪】を観た。

リリーフランキーとピエール瀧の演技力が凄くて迫力があって、飽きずに一気に観れた。

この映画は実際にあった「上申書殺人事件」を基に、獄中の死刑囚が告発した殺人事件の真相を新潮45編集部が暴き、首謀者逮捕に至るまでを描いた犯罪ドキュメントなんだとウィキペディアに書いてあった。

 

リリーフランキーとピエール瀧がサイコパスで躊躇なくお金の為に人を殺めていく。それを記者である山田孝之が事件の真相を暴いて記事にしていくという映画だ。

誰がみても胸糞悪い作品である事は間違いない。
社会の矛盾や悪い奴らの事を本当にリアルに嫌な感じで作品にしている。

 

この中のリリーフランキーに非常に共感した。

圧倒的に悪いんだけど、悪い事を自覚しながら、罪の意識を持たない様に生きている。
非常に自分勝手で最低な人間だ。
ただ、どこか正しくて嘘がない人間として描かれている。

相手の痛みやお金でしか満たされないサイコパス。
それでも家族を大切にしたり人間として大切な部分はもっていたりする。

極端に描かれてはいるが、登場人物の中で一番ピュアな人だったと思う。

 

 

風俗って仕事をしていると、このリリーフランキーの様に生きたくなる気持ちがわからなくもないのだ。

酷い事が起き過ぎるし、酷い環境を背負っている人が多すぎる業界だ。
幸も不幸も笑い飛ばさないといけない。そうしないと闇を移されてしまうので、こっちの身がもたない。

だから笑い飛ばすんだけど、ずっとそれを笑っているうちに、本当に面白くなってきてしまったりする。
自分がバリアとしてしかっていた凶悪さというのに自分が飲み込まれるという感覚だ。

それが酷くなっていくと、いくところまでいってしまうんだろうなぁというのがちょっと自分で分かるから恐ろしくなる。

 

 

風俗の仕事で一番怖いのは浸食される事だと思う。

女の子は勿論の事、僕等もだ。

 

凶悪のリリーフランキーをみて、酷い人間だと思わないどころかピュアな人間みたいな言い方をして擁護しようとしてしまっている、そんな自分に絶望したので感想を書いてみた。

 

 

 


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